特集1 薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂の目指すもの
3.企業の立場から見た薬学教育とは:企業の求める人材 2)薬学部卒業生に期待する
髙柳輝夫
1
1公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団・代表理事(理事長)
pp.87-91
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201401087
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
製薬企業の使命は病気で苦しむ人々の許に優れた医薬品を一刻も早く,継続的かつ安定的に届けることであり,さらに,医薬品適正使用の確実な実現のために活用される医薬品情報を提供することである。これらの使命は,生命倫理ならびに科学性が適切に理解され,配慮された状況の下で果たされる。これまでも,薬学部卒業生は製薬企業のさまざまな部門において,中核的な存在となり大きな貢献を果たしてきている。今後も,薬学部卒業生が製薬企業において溌剌と活躍することが大いに期待されるが,そのためにも在学中,早い時期から生命倫理と科学性の具体的な内容,意義と重要性を理解するとともに患者や生活者への視線・思いを持ち続けるための教育・研修・実習が確実に,効果的に実施されることが強く望まれる。同時に,やはり早期から製薬産業の特徴,医薬品の特性,創薬研究ならびに治験の現状についての正確な知識の習得のための教育・研修の確実な実施も望まれる。