特集1 薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂の目指すもの
1.薬学教育の充実とは 1)基礎薬学の立場から
奥直人
1
1静岡県立大学薬学部医薬生命化学教室・教授
pp.51-54
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201401051
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この度,6年制薬学教育の根幹に関わる「薬学教育モデル・コアカリキュラム」が改訂され,従来の積み上げ型教育から学習成果基盤型教育へと大きく変更された。すなわち「薬剤師に求められる基本的な資質」を修得するための教育体系が,大学に求められている。この基本的な資質の中で,基礎薬学が関わる部分は,主に「基礎的な科学力」と「研究能力」であろう。前者は,分子レベルで薬の構造,物性,生理活性の発現機構について科学的に説明できる能力であり,後者は薬物治療等における諸問題を解決するための手法を身に付けた実践的能力である。これらの能力は薬の専門家としての薬剤師に確固たる存在意義と地位を与えるものであり,各大学における積極的な取り組みに期待したい。