特集2 骨粗鬆症治療における疼痛対策の意義 ~QOL向上をめざして~
5.骨粗鬆症性骨折患者のQOL管理 ~治療連携(リエゾン)の重要性~
山﨑薫
1
1磐田市立総合病院整形外科/副病院長
pp.2657-2661
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201311159
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最近は,疼痛を和らげ,QOL(quality of life)を高める作用が骨粗鬆症の治療薬に求められるようになった。その観点で見ると,カルシトニンは重要な骨粗鬆症治療薬である。盲検性のない試験であるが,骨粗鬆症患者や大腿骨近位部骨折患者を対象に,カルシトニンと消炎鎮痛剤で痛みやQOLの推移を定量的に比較したところ,痛みのスケール,QOLの評価において,カルシトニンは消炎鎮痛剤と同等の効果を持つことが明らかとなった。しかし,急性期病院で行われる治療は,期間が短く不十分である。骨粗鬆症性骨折患者に対しては,骨粗鬆症に対する治療を継続する必要性を教育することがポイントで,医師以外のメディカルスタッフを交えた治療連携(リエゾン)活動が重要である。