特集1 日本版RMP(医薬品リスク管理計画)の展望
4.病院の立場から 1)医師から見たRMPとその意義
景山茂
1
1東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 薬物治療学研究室・教授/糖尿病・代謝・内分泌内科・診療医長
pp.2589-2592
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201311091
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従来,医薬品のリスクは重篤度や頻度により分類されてきた。医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan:RMP)では,安全性検討事項により,何が特定され,何が未だ明らかでないかを明示することになり,「重要な特定されたリスク」,「重要な潜在的リスク」,「重要な不足情報」に分類された。これらの情報は,新医薬品を製造販売する製薬企業のみならず,これを処方する医師にとっても情報の取り扱いの整理に役立つと言える。また,これらのリスク分類の記載においても対照群との比較が重視されており,ともすれば一律に3,000例を3年間追跡調査するという,わが国の市販後調査にも変革を迫るものとなっている。今後は,疫学的手法を取り入れた適切な市販後の調査・研究が行われることを期待したい。