特集 臓器移植の現況と今後の展望
11.日本移植学会のあり方
高原史郎
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1大阪大学大学院医学系研究科先端移植基盤医療学寄附講座・教授/日本移植学会・理事長
pp.2201-2202
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201309123
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日本移植学会は日本の臓器移植の健全な発展を目的とし,移植医療の活性化,質および安全性の向上と維持に取り組んでいる。具体的には,基礎・臨床研究活動の更なる活性化,内科医の関与の増強,を重点事業としている。
臓器移植法は改正され,脳死臓器移植数は増加したが,亡くなられた方からの臓器提供数は微増に止まっている。人口100万人当たりの年間提供者は欧米が20前後,隣国の韓国でも10近いのに対し,わが国では1前後と絶望的な少なさである。日本移植学会は医療・学術面での向上のみならず社会的な活動にも積極的に関与してきたが,今後も行政機関・患者会・NGO(Non-Governmental Organizations)との協力体制の強化を重要視している。