特集 臓器移植の現況と今後の展望
4.肝移植の現況と今後の展望
吉住朋晴
1
,
池上徹
2
,
二宮瑞樹
3
,
井口友宏
3
,
山下洋市
4
,
川中博文
5
,
池田哲夫
5
,
調憲
5
,
前原喜彦
6
1九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科) 診療准教授
2九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科) 併任講師
3九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)
4九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科) 診療講師
5九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科) 准教授
6九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科) 教授
pp.2157-2162
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201309079
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さまざまな創意と工夫により,わが国の成人間生体肝移植の成績は良好となってきた。本稿では,その過程で明らかになった知見の中から,グラフトの選択,門脈血流の制御あるいは経腸栄養など短期成績改善に向けた戦略,長期成績改善のためのC型肝炎再発例に対する治療と肝細胞癌に対する肝移植適応基準の作成,さらに薬剤性腎障害に対する工夫について概説する。また,生体ドナーの安全性の絶対的確保,quality of lifeに関する諸問題等を考慮すると,わが国においても脳死下臓器提供を増加させ,次の世代に引き継いでいくことが大変重要である。脳死下臓器提供啓発に向けた我々の活動についても紹介する。