特集 臓器移植の現況と今後の展望
6.膵臓移植と膵・腎同時移植の現況と今後の展望
剣持敬
1
,
伊藤泰平
2
,
圷尚武
3
,
浅野武秀
3
,
星長清隆
4
1藤田保健衛生大学医学部臓器移植科 教授
2藤田保健衛生大学医学部臓器移植科 講師
3国立病院機構千葉東病院外科 部長
4藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器外科・教授
pp.2169-2173
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201309091
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膵臓移植は重症1型糖尿病に対する根治療法として1966年に初めて実施された。本邦では1984年に脳死膵・腎同時移植が行われたが,1997年の臓器移植法施行後に本格的に開始され,2013年4月末までに189例の膵臓移植(脳死161例,心停止2例,生体26例)が実施された。本邦ではマージナルドナー(条件の悪いドナー)が多いが,欧米と遜色ない好成績を示している。藤田保健衛生大学では2013年6月現在,26例の膵臓移植(脳死24例,生体2例)を施行した。2012年8月以降の7例の脳死膵・腎同時移植症例では,大きな合併症なく退院し,膵・腎ともに良好な機能を維持している。
脳死および生体膵臓移植は,1型糖尿病性の治療法として極めて有効な治療法である。