特集1 ワクチン療法の最新事情
4.新しく国内に導入された不活化ポリオワクチン
中野貴司
1
1川崎医科大学小児科学・教授
pp.1925-1934
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013081925
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ポリオの予防ワクチンが開発されたのは1950年代中盤であった。経口生ポリオワクチン(OPV)は優れた効果を持つが,頻度は低いものの,弱毒ワクチン株の神経病原性復帰によりワクチン関連性麻痺(VAPP)という副反応が起こる。一方,不活化ポリオワクチン(IPV)ではVAPPは起こらない。現代はより安全なワクチンが待望され,わが国は海外に10年以上の遅れをとったが,2012年に2種類のIPVが導入された。世界で長年にわたって使用されてきた経験のあるIPV単独製剤と,弱毒セービン株由来IPVを含有する四種混合ワクチン(DPT-IPV)である。ともに,十分な有効性と安全性が期待できるワクチンと考えられるが,本稿ではそれらについて紹介する。