特集1 ワクチン療法の最新事情
2.ヒブ(Hib)ワクチン・肺炎球菌ワクチンの効果について
庵原俊昭
1
,
菅秀
2
1国立病院機構三重病院小児科 [国立病院機構三重病院・院長]
2国立病院機構三重病院小児科
pp.1913-1918
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013081913
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インフルエンザ菌b型(Hib)および肺炎球菌は,小児期における侵襲性細菌感染症を引き起こす代表的な起因菌である。2010年度末からの子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業(促進事業)により,Hibワクチン,7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)の公費助成による接種が開始され,2011年4月頃からHibワクチンおよびPCV7の接種率が上昇した。この結果,侵襲性細菌感染症のアクティブサーベイランスを行っている10道県の2012年の侵襲性細菌感染症罹患率は,促進事業開始前の2008~ 2010年の平均と比べ,Hib髄膜炎は92%,髄膜炎以外の侵襲性Hib感染症は82%,肺炎球菌髄膜炎は71%,髄膜炎以外の侵襲性肺炎球菌感染症は52%減少した。
血清型の交替を監視するために,今後も侵襲性細菌感染症のアクティブサーベイランスが必要である。