医薬ジャーナル論壇
薬剤師の新たな可能性 “Academic Detailing” ―公正中立な医薬品情報提供に向けて―
pp.1637-1639
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201307023
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Academic Detailing――まだ聞き慣れない人も多いであろう。広義には,「学術的情報を簡明に解説すること」と訳されるが,医療薬学の世界では,「医薬品の適正使用のために,訓練を受けたDetailerが,医療関係者に対し,根拠に基づく情報を直接訪問して提供すること」と解釈される。製薬企業のMR(医薬情報担当者)と違うのは,Detailerは,あくまでも中立的な立場から情報提供を行い,特定の製品の宣伝に携わらない点である。欧米では,30年ほど前から普及し始め,その担い手として臨床薬剤師が広く活躍しているという。3月に横浜で開かれた日本薬学会第133年会でも,シンポジウム「Academic Detailing――医薬品適正使用のための根拠に基づくアプローチ」が催され,Academic Detailingを日本に紹介した草分けである昭和薬科大学教授・山本美智子氏が,オーガナイザーを務めた。これからの薬剤師の職能を捉え直す上で,Academic Detailingは重要なキーワードのひとつになるであろう。