特集 最新の免疫学 ~自然免疫・獲得免疫~
1.自然免疫と炎症制御の分子機構
織大祐
2
,
竹内理
1
1京都大学ウイルス研究所生体応答学研究部門感染防御研究分野 教授
2大阪大学大学院医学系研究科自然免疫学分野・京都大学ウイルス研究所生体応答学研究部門感染防御研究分野
pp.651-656
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201302071
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Toll様受容体(TLRs)を始めとした病原体パターン認識受容体(PRRs)ファミリーが,現在までに同定されてきた。PRRsは病原体や異物,および内因性の分子を認識することにより,それぞれのリガンドに応じた炎症反応を誘導するが,不適切な炎症反応は逆に生体にとって不利益なものとなり得る。そのため炎症反応は,受容体の局在やシグナル伝達経路におけるアダプター分子の修飾,さらにはmRNA(messenger RNA)の転写後調節など,さまざまなメカニズムで厳密に制御されている。本稿では,これらの炎症を制御する分子メカニズムについて,最近の知見も交えて概説したい。