特集 アレルギー疾患治療の最前線
5.ボツリヌス療法
上條篤
1
1埼玉医科大学病院耳鼻咽喉科・講師/アレルギーセンター
pp.93-96
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201301093
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ボツリヌス毒素は破傷風菌とならんで史上最強の毒素とされるが,眼瞼痙攣,痙性斜頸をはじめ,美容外科領域においては眉間のしわ取りにも使用されるなど,さまざまな疾患や病態における有用性が報告されている。鼻炎の治療にも1990年代から応用され,血管運動性鼻炎やアレルギー性鼻炎において一定の有効性が報告されている。しかし一方で,投与方法,投与量,投与部位など未解決な要素も多く,治療コストの問題もあり,一般的な治療にはなっていない。本稿では,鼻炎に対するボツリヌス療法(ボツリヌス毒素を用いた治療)の現状を我々のスギ花粉症に対する取り組みも含めて解説し,将来の展望について解説した。