特集 アレルギー疾患治療の最前線
6.舌下免疫療法 ~治療の効果,将来の見通し,保険収載に向けた現状について~
櫻井大樹
1
1千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学・講師
pp.99-103
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201301099
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抗原特異的免疫療法はアレルギー性鼻炎に対し,現在唯一,自然経過を改善し,根本治療になることが期待できる治療法である。以前より皮下免疫療法は行われていたが,頻度は低いものの全身性の副作用の問題などから,近年では施行例が減少している。それに代わりヨーロッパを中心として舌下免疫療法が開発され,効果と安全性が示されてきている。日本においても舌下免疫療法の導入のため臨床試験が行われ,保険医療へ向けた準備が進められている。今後さらに治療効果を上げるため,投与スケジュールの最適化やエキス濃度の改善なども課題である。また免疫療法の効果判定や,治療効果を予見するマーカーは確立されておらず,治療の普及と患者負担の軽減にバイオマーカーの確立も必要である。