特集 アレルギー疾患治療の最前線
1.抗ロイコトリエン療法の現状と未来
白崎英明
1
1札幌医科大学医学部耳鼻咽喉科・准教授
pp.59-63
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201301059
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鼻アレルギー患者の鼻汁中からシステイニルロイコトリエン(CysLT)が検出されることより,抗LT薬は鼻閉に対し優れた有効性が認められる。CysLTは鼻アレルギーに重要な役割を演じていると考えられている。CysLT受容体はCysLT1受容体とCysLT2受容体の2つのタイプが報告され,鼻アレルギーや喘息の治療薬は,CysLT1受容体拮抗薬である。CysLT1やCysLT2受容体にもほとんど結合しないLTE4に結合力のある第三のLT受容体として注目されているP2Y12受容体もヒト鼻粘膜に発現する。受容体拮抗薬が臨床応用されていないCysLT2受容体やP2Y12受容体の役割を明らかにするためには,今後の更なる基礎的および臨床的な研究が必要である。