特集 筋肉・エクササイズとミネラル代謝
9.エクササイズ時の発汗と汗電解質の調節
天野 達郎
1
,
藤井 直人
2
,
Nicola Gerrett
3,4
,
西保 岳
2
,
近藤 徳彦
4
1新潟大学人文社会科学系
2筑波大学体育系
3Vrije Universiteit Amsterdam
4神戸大学大学院人間発達環境学研究科
キーワード:
発汗量
,
汗電解質
,
運動
,
温熱性・非温熱性要因
,
末梢メカニズム
,
統合的調節
Keyword:
発汗量
,
汗電解質
,
運動
,
温熱性・非温熱性要因
,
末梢メカニズム
,
統合的調節
pp.233-239
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000220
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運動時における発汗と汗電解質の調節に関して最近の研究をもとに概説した.運動時の発汗は体温などの温熱性要因と温度に依存しないセントラルコマンドや活動筋からの求心性入力などの非温熱性要因により統合的に調節されている.発汗調節の経路は視床下部からの遠心性交感神経信号が主となるが,それ以外にも末梢でさまざまな要因に影響される.汗の前駆物質には血漿と同じレベルの塩分が含まれるが,汗腺の導管部で多くの塩分が再吸収される.皮膚コンダクタンス-発汗量の関係から間接的にこの再吸収能が評価できると考えられ,汗腺での再吸収能が暑熱順化,身体部位差,性差などに修飾されることがこの手法により明らかとなった.このように運動時には発汗量と汗電解質はさまざまな要因により調節されている.
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