特集 尿毒症と骨
9.Ⅰ型コラーゲン修飾と骨材質特性
田尻 瑛子
1
,
内山 威人
1
,
大城戸 一郎
1
1東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科
キーワード:
酵素依存性架橋
,
終末糖化産物架橋
,
ホモシステイン血症
,
ビタミンD 活性化障害
,
尿毒症物質の蓄積
Keyword:
酵素依存性架橋
,
終末糖化産物架橋
,
ホモシステイン血症
,
ビタミンD 活性化障害
,
尿毒症物質の蓄積
pp.65-71
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000180
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
慢性腎臓病患者の骨脆弱性は広く知られており,その機序は多岐にわたる.なかでも,Ⅰ型コラーゲンの修飾性変化を介した骨材質特性の変化の結果生じる「骨脆弱性」は非常に興味深い.骨を形成するコラーゲンの架橋は「酵素依存性架橋」と「終末糖化産物架橋」に分けられるが,腎機能が低下すると,酵素依存性架橋の減少と終末糖化産物架橋の増加がみられる.原因として,尿毒症物質の蓄積,高ホモシステイン血症,ビタミンD 活性化障害,酸化ストレスの亢進などさまざまな因子が関与することが報告されている.本稿では腎機能低下によって生じるⅠ型コラーゲンの修飾ならびに骨材質特性の変化をコラーゲン架橋の変化を中心に概説する.
Copyright © 2019, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.