特集 宇宙医学研究の最先端
序章─宇宙環境が生体に及ぼす影響
二川 健
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部生体栄養学分野
キーワード:
宇宙環境
,
骨
,
免疫
,
筋
,
立体構造形成
,
癌
Keyword:
宇宙環境
,
骨
,
免疫
,
筋
,
立体構造形成
,
癌
pp.167-168
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000052
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宇宙開発の技術が発展し,長期の宇宙空間での滞在が可能となってきている.無重力環境が引き起こす骨粗鬆症や筋萎縮などのさまざまな疾患が宇宙飛行士らを悩ませている.一方,わが国では,少子高齢化に伴い,加齢に伴う運動器障害(ロコモティブ・シンドローム)を伴う高齢者の数が増加している.このような運動器の障害は,患者本人の生活の質(QOL)の低下や要介護者の増加に伴う医療費の増大につながるため,早急に解決すべき問題の一つと考えられる.つまり,宇宙での生命科学研究(スペースサイエンス)は,宇宙飛行士の健康増進だけでなく,地上における高齢者の疾患の治療や予防に通じる重要な学問分野になりつつある.本特集では,「宇宙医学研究の最先端」と題し,無重力環境が生体の「免疫」,「骨」,「筋」,「立体構造形成」に及ぼす影響について,さらに放射線が「発がん」に及ぼす作用について,それぞれの最先端の研究者に紹介していただいた.
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