消化管ポリポーシス-診断と治療の進歩
家族性大腸腺腫症 最新の治療を中心に
石川 秀樹
1
1京都府立医科大学 分子標的癌予防医学大阪研究室
キーワード:
Aspirin
,
大腸内視鏡法
,
大腸ポリポーシス-腺腫様
,
大腸腫瘍
,
臨床試験
,
多施設共同研究
,
治療成績
,
化学予防
,
Celecoxib
Keyword:
Celecoxib
,
Aspirin
,
Clinical Trials as Topic
,
Colonoscopy
,
Adenomatous Polyposis Coli
,
Colorectal Neoplasms
,
Multicenter Studies as Topic
,
Chemoprevention
,
Treatment Outcome
pp.243-249
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016299278
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これまで,家族性大腸腺腫症患者における大腸癌の発生を予防する方法は外科的大腸全摘術のみであった.最近になり,大腸全摘術を避ける,または手術時期を遅らせるために,薬を用いて大腸癌発生を予防する化学予防や,内視鏡的にポリープを徹底的に摘除する治療法の研究が行われている.本稿では,家族性大腸腺腫症に対する化学予防として非ステロイド系抗炎症薬のスリンダクやセレコキシブ,アスピリンなどを用いた臨床試験の成績を紹介するとともに,私たちが実施している大腸内視鏡による大腸ポリープ徹底的摘除の研究状況を紹介する.化学予防薬や内視鏡的ポリープ切除は,まだ,家族性大腸腺腫症に対して臨床応用できるところには至っていないが,近い将来,一部の家族性大腸腺腫症に対しては,実用化できることが期待される.
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