遺伝性大腸癌の診断と治療の進歩
家族性大腸腺腫症 疾患の概要と診断
小泉 浩一
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 消化器内科
キーワード:
大腸内視鏡法
,
大腸ポリポーシス-腺腫様
,
集団サーベイランス
,
変異
,
大腸腺腫様ポリポーシスタンパク質
Keyword:
Colonoscopy
,
Mutation
,
Adenomatous Polyposis Coli
,
Population Surveillance
,
Adenomatous Polyposis Coli Protein
pp.431-439
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2014036934
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家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis;FAP)は大腸腺腫が多発し,高率に大腸癌が発生するAPC遺伝子変異に起因する常染色体優性の遺伝性疾患である.その表現型から密生型,非密生型,散発型に分類され,腺腫や癌の発生年齢が異なる.内視鏡検査で100個以上の腺腫を認めることが診断の基本であるが,腺腫の形態や分布などの表現型は家系,年齢によりさまざまな病態をとることに留意する.また,十二指腸腫瘍,デスモイドなど他臓器にも腫瘍が発生する.臨床的特徴を理解して早期診断で至適な治療戦略を考える必要がある.
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