特集 骨ミネラル代謝と疾患
慢性閉塞性肺疾患と骨
渡部 玲子
1
,
井上 大輔
1帝京大学ちば総合医療センター 第3内科
キーワード:
Steroids
,
Vitamin D
,
危険因子
,
呼吸不全
,
骨粗鬆症
,
骨密度
,
早期診断
,
肺疾患-慢性閉塞性
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Osteoporosis
,
Respiratory Insufficiency
,
Risk Factors
,
Steroids
,
Vitamin D
,
Bone Density
,
Pulmonary Disease, Chronic Obstructive
,
Early Diagnosis
,
Osteoporotic Fractures
pp.45-51
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2017161098
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慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)は,肺の炎症性疾患であるが,肺以外のさまざまな併存症をもつことから全身性疾患と認識されるようになった.骨粗鬆症はその代表的な合併症の一つであり,COPDでは高率に椎体骨折を合併する.COPD関連骨粗鬆症の機序として,全身性炎症やビタミンD不足などとともに,重症COPDで認められるような呼吸不全の関与も検討されているが,未だ明らかではない.しかし,COPDでは骨密度が比較的維持された早期の段階から骨脆弱性を呈することから,骨密度のみならず骨質の関与も示唆される.そして,病期の進行は病態をより複雑化させる.COPDに限局した骨粗鬆症治療のエビデンスは皆無だが,早期からの適切な評価と治療介入は,ADLや呼吸機能の維持において重要と考えられる.
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