腫瘍と骨ミネラル代謝
多発性骨髄腫の骨病変形成機序とその治療
安倍 正博
1
1徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
キーワード:
Clodronic Acid
,
シグナルトランスダクション
,
骨吸収
,
骨形成
,
骨疾患-代謝性
,
骨髄腫-多発性
,
治療成績
,
Zoledronic Acid
,
Bortezomib
,
骨密度維持剤
,
Denosumab
Keyword:
Denosumab
,
Bortezomib
,
Bone Diseases, Metabolic
,
Bone Resorption
,
Clodronic Acid
,
Multiple Myeloma
,
Osteogenesis
,
Signal Transduction
,
Treatment Outcome
,
Bone Density Conservation Agents
,
Zoledronic Acid
pp.33-40
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2014108385
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骨髄腫細胞は骨髄内で限局した増殖,進展を示し,広範な骨破壊病変を呈する.骨髄腫骨病変は,骨髄腫細胞由来のMIP-1等の骨吸収促進因子によるRANKLを介する破骨細胞形成・機能の亢進に加え,骨髄腫骨病変部で産生が亢進しているWnt阻害因子やTGF-βなどによる骨芽細胞分化の抑制によりもたらされる.破骨細胞や骨芽細胞分化が抑制された骨髄間質細胞は骨髄腫細胞と密接な細胞間相互作用を営み,骨破壊を進行させつつ骨髄腫が進展するという悪循環を形成している.この骨病変の治療薬として,強力な骨吸収抑制薬であるゾレドロン酸とデノスマブが用いられている.現在,骨形成誘導活性を有する抗DKK-1抗体やactivin A阻害薬などが臨床応用されつつあり,今後の治療の進歩が期待される.
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