リンの栄養学
細胞内のリン リン酸と細胞機能
竹森 重
1
1東京慈恵会医科大学 分子生理学講座
キーワード:
Adenosine Triphosphate
,
Myosins
,
シグナルトランスダクション
,
核酸
,
筋収縮
,
代謝
,
リン
,
リン酸
,
リン酸化
,
リン脂質
,
疎水性と親水性
,
電荷
Keyword:
Adenosine Triphosphate
,
Myosins
,
Metabolism
,
Muscle Contraction
,
Phospholipids
,
Nucleic Acids
,
Phosphorylation
,
Phosphoric Acids
,
Signal Transduction
,
Hydrophobic and Hydrophilic Interactions
,
Phosphorus
pp.7-13
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2013119659
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リン(P)は,細胞内においてリン酸という強い陰電荷と親水性をもつ特徴的な要素として重要な位置を占めている.核酸においてはヌクレオシドを組み換え自由でありながら安定に繋ぐ糊として作用して遺伝情報を伝え,細胞膜にあってはリン脂質として滑らかに拡がる界面を形成し,細胞質ではアデノシン三リン酸(ATP)としてほどよい大きさの自由エネルギーを運ぶ媒体となり,その自由エネルギーを利用して細胞内のさまざまな物質にタグをつけ,機能蛋白の活性を制御する.これらのリン酸の特徴を収縮に特化した筋肉の中でATPが果たす役割という視点から眺めるとき,地球上の生命体がリン酸を利用して生命活動を実現する戦略が見えてくる.
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