臨床に必要な消化管による食欲調節の知識
食欲異常と消化管 肥満手術と消化管ホルモン
愛甲 丞
1
,
瀬戸 泰之
1東京大学 大学院消化管外科
キーワード:
胃切除
,
糖尿病-2型
,
肥満
,
治療成績
,
肥満症
,
Glucagon-Like Peptide 1
,
肥満手術
Keyword:
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Gastrectomy
,
Obesity, Morbid
,
Obesity
,
Treatment Outcome
,
Glucagon-Like Peptide 1
,
Bariatric Surgery
pp.1275-1279
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016392521
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肥満人口の増加に伴い,肥満手術は欧米では一般的な手術となっている.RYバイパス術やスリーブ状胃切除などさまざまな術式が報告されている.摂食量の制限と,消化吸収抑制がその基本的な減量機序である.近年,減量手術(bariatric surgery)としてだけでなく,糖尿病などの治療を目的とした代謝改善手術(metabolic surgery)の概念が提唱されている.消化管経路の変更に伴いGLP-1などの消化管ホルモンの変動により糖尿病が改善すると考えられている.その機序としてforegut hypothesisとhindgut hypothesisが提唱されている.スリーブ状胃切除ではグレリンの分泌低下による食欲抑制効果も知られている.肥満手術での消化管ホルモンの作用機序は完全には解明されておらず今後のさらなる研究が期待される.
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