消化管憩室の最近の話題
食道憩室の診断と治療
小熊 潤也
1
,
小澤 壯治
,
数野 暁人
,
山崎 康
,
二宮 大和
1東海大学 医学部消化器外科
キーワード:
X線診断
,
咽頭筋
,
術後合併症
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
食道切除
,
Zenker憩室
,
発癌
Keyword:
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoscopy
,
Pharyngeal Muscles
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Esophagectomy
,
Zenker Diverticulum
,
Carcinogenesis
pp.387-391
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016223462
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Zenker憩室は,嚥下障害などの自覚症状を有し治療の対象となる症例が多い.高齢者男性に多く,繰り返す誤嚥性肺炎の原因精査で診断されることもある.一般に,食道造影検査および上部消化管内視鏡検査で診断するが,食道内圧検査での上部食道括約部の弛緩不全も特徴的な所見である.症状を有する症例に対して手術を施行することが治療の原則となる.術式は憩室切除術が標準術式であり,憩室を周囲より十分?離すること,輪状咽頭筋切開をできるだけ付加すること,憩室切除の際は縫合不全および瘢痕狭窄をきたさないよう細心の注意を払うこと,がポイントとなる.まれではあるが,食道憩室内癌の報告があり,治療に際しては念頭におく必要がある.
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