発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015053667
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60歳代男。下咽頭癌に対する化学放射線療法目的で入院した。第1病目より放射線療法を開始した。治療中、経口摂取困難となることが予想されたため、第5病日に経腸栄養目的にてEDチューブを前もって挿入し、第6病日に化学療法を開始した。第10病日より頻回に嘔気、腹満感を生じ、第13病日に心窩部痛を生じた。腹部X線所見では、胃壁内に線状ガス像を認めた。腹部超音波検査所見では、門脈内に点状高エコー像を認めた。腹部造影CT検査所見では、胃壁内に気腫像を認め、門脈ガス像も認めた。緊急で上部消化管内視鏡検査を施行し、胃体中部後壁を中心に広範囲に発赤、びらんを認めた。EDチューブとの関連を疑い抜去し、抗生剤、プロトロンポンプ阻害剤で加療した。発症翌日に腹痛は消失し、血夜検査でも炎症所見は改善傾向となり、発症後3日目には腹部X線写真で胃壁内気腫は消失した。その後も腹部症状の再燃なく経過した。
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