NASH-病態と治療
NASHの成因と病態 NASH病態とレプチン
今城 健人
1
,
米田 正人
,
結束 貴臣
,
小川 祐二
,
中島 淳
1横浜市立大学附属病院 消化器内科
キーワード:
Leptin
,
肝線維症
,
肝疾患-非アルコール性脂肪性
,
病態生理
Keyword:
Liver Cirrhosis
,
Leptin
,
Non-alcoholic Fatty Liver Disease
pp.441-446
発行日 2013年3月20日
Published Date 2013/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013182439
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脂肪細胞はさまざまな生理活性物質(アディポサイトカイン)を分泌する.アディポサイトカインは中枢神経系・肝臓・骨格筋などの諸臓器に個体のエネルギー代謝状態を伝えるメッセンジャーとして働いている.その一つであるレプチンは自然免疫系に作用し,クッパー細胞におけるエンドトキシンへの過剰応答を介して炎症性サイトカインやtransforming growth factor β(TGFβ)の産生を誘導することにより肝内炎症や肝線維化を惹起することが明らかとなっている.またレプチンは肝脂肪化に対する抑制的な作用や肝線維化への促進的作用のみならず,自律神経系にも作用することが報告されており,レプチンが種々の因子を介して脂肪性肝炎の病態形成に主要な役割を演じていることが示唆される.
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