NASH-病態と治療
NASHの成因と病態 NASHにおける鉄代謝
光吉 博則
1
1京都府立医科大学 消化器内科
キーワード:
鉄キレート剤
,
鉄
,
ホメオスタシス
,
鉄代謝障害
,
肝疾患-非アルコール性脂肪性
Keyword:
Homeostasis
,
Iron Chelating Agents
,
Iron Metabolism Disorders
,
Non-alcoholic Fatty Liver Disease
,
Iron
pp.447-451
発行日 2013年3月20日
Published Date 2013/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013182440
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NASHやNAFLDでは鉄が肝臓に蓄積し,組織学的進展に関与していると考えられている.鉄蓄積による肝障害にはフリーの鉄イオンによる活性酸素の発生が関与するが,実質細胞や非実質細胞の鉄蓄積パターンによっても影響を受ける.過剰な鉄が肝臓に蓄積する原因は不明だが,ヘモクロマトーシス遺伝子の変異やインスリン抵抗性が関連している.肝細胞で合成されるhepcidinは過剰な鉄蓄積を抑制する負の鉄代謝制御因子である.NAFLDではhepcidinの鉄代謝調節機能が障害されている可能性がある.除鉄はNASHの肝病態改善の治療法として有用である.
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