発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013147181
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2007年1月~2011年3月に受診し、初回治療された肝細胞癌(HCC)237例(男性170例、女性67例、43~90歳、平均71.3歳)を対象に、HBs抗原陽性のHBV群24例、HCV抗体陽性のHCV群157例、両者陰性の非B-非C群(nBnC群)56例に分け、その背景肝、背景因子および臨床的特徴について比較検討した。腫瘍径は3cm以上が113例(48%)、3cm未満が124例(52%)であった。肝予備能はChild-Pugh分類A179例(76%)、B49例(21%)、C7例(3%)であった。糖尿病合併率は32%、BMIは平均22.3kg/m2であった。飲酒量はアルコール多飲者が19%であった。HCC237全例における成因別頻度は肝癌の内訳でC型66%、B型10%、nBnC型24%であった。各群における背景因子の比較ではHBV群ではnBnC群に比べ有意に若年であった。nBnC群ではHCV群に比べ有意に糖尿病合併率が高く、BMIも高値であった。腫瘍の大きさはnBnC群ではHBV群、HCV群に比べ有意に腫瘍径が大きかった。nBnC肝癌では非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とアルコール性が共に21例(37%)と最も多く次に脂肪性6例(11%)と多く認め、これらで約85%を占めた。
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