消化管疾患に対する漢方医学からのアプローチ-現状と展望
消化管疾患に対する漢方医療の実際 口内炎
三嶋 秀行
1
1愛知医科大学病院 臨床腫瘍センター
キーワード:
漢方薬
,
口腔粘膜
,
口内炎
,
臨床試験
,
治療成績
,
黄連湯
,
小柴胡湯
,
半夏瀉心湯
,
粘膜炎
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Drugs, Chinese Herbal
,
Mouth Mucosa
,
Stomatitis
,
Treatment Outcome
,
Mucositis
,
Hange-shashinto
pp.203-207
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013120329
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口内炎に対して確立した治療はなく,含嗽やステロイド軟膏などの対症療法が行われている.口内炎に使用される漢方薬として,半夏瀉心湯,黄連湯,黄連解毒湯,小柴胡湯,茵?蒿湯,温清飲,甘草湯,白虎加人参湯などがあり,基礎的な研究から徐々に有効性のメカニズムが解明されつつあるが,比較試験などによる科学的な評価はされていない.大腸癌化学療法中に発生した口内炎に対する半夏瀉心湯の効果を検討する二重盲検無作為化第II相臨床試験を行い,半夏瀉心湯群はプラセボ群と比較してGrade 2以上の口内炎の持続期間は半分程度に減少していた.漢方薬は口内炎に対する重要な治療選択肢となる可能性があり,今後の科学的な研究結果に期待したい.
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