透析膜update-生体適合性からみた評価法と特性
市販透析膜の特性(生体適合面を中心に) CTA(セルローストリアセテート)
倉賀野 隆裕
1
,
中西 健
1兵庫医科大学 内科学腎・透析科
キーワード:
Cellulose
,
血液透析
,
血小板活性化
,
血小板糖タンパク質GPIIb-IIIa複合体
,
生体適合性
,
プロテオミクス
,
血液透析膜
Keyword:
Renal Dialysis
,
Platelet Activation
,
Platelet Glycoprotein GPIIb-IIIa Complex
,
Proteomics
,
Cellulose
pp.557-561
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016266956
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セルローストリアセテート(CTA)膜はlow-flux,high-flux透析膜として,またヘモダイアフィルタとして広く使用されている.CTA膜は従来のセルロース系膜より古典的な生体適合性の指標である補体や白血球に及ぼす影響は軽微であり,その影響は高分子合成膜と同程度であることが報告されている.また近年の基礎的・臨床的検討から血小板数や血小板表面に存在するglycoprotein II/IIIa受容体活性に与える影響は高分子合成膜より軽微であることが明らかにされている.さらにCTA膜は高い親水性を有し,多くの合成膜とは異なり,親水化剤の溶出の懸念がない点からも現在市販されている透析膜のなかでも優れた生体適合性を有する透析膜と考えられる.近年,均一構造から非対称性構造に変更したCTAがヘモダイアフィルタとして開発され,臨床使用されている.血液濾過透析(HDF)治療におけるこれらの生体適合性の評価が待たれる.
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