研究
腹膜透析関連腹膜炎における季節性の検討
相川 純輝
1
,
深澤 瑞也
,
松田 結
,
志村 寛史
,
大竹 裕子
,
山岸 敬
,
中込 宙史
,
神家満 学
,
三井 貴彦
,
武田 正之
1山梨大学 大学院総合研究部医学域泌尿器科
キーワード:
Pseudomonas aeruginosa
,
シュードモナス感染症
,
Staphylococcus aureus
,
季節
,
腎不全-慢性
,
腹膜炎
,
腹膜透析
,
ブドウ球菌感染症
,
連鎖球菌感染症
,
後向き研究
,
Coagulase-Negative Staphylococcus
Keyword:
Kidney Failure, Chronic
,
Pseudomonas Infections
,
Retrospective Studies
,
Seasons
,
Peritoneal Dialysis
,
Peritonitis
,
Pseudomonas aeruginosa
,
Streptococcal Infections
,
Staphylococcal Infections
,
Staphylococcus aureus
pp.461-464
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2021211408
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腹膜透析(PD)関連腹膜炎を発症した45人の患者を対象とし、PD関連腹膜炎の発症頻度と起炎菌について院内データベースを用いて後方視点的に検討した。45人に66例のPD関連腹膜炎を認めた。また、上記とは別に4例の再燃性腹膜炎を認めた。月別・季節別発症数を比較したが、いずれにおいても季節性は明らかではなかった。その他の気候条件として、平均最高気温、平均最低気温、最小湿度、合計降水量、平均気圧、平均風速、最大風速、最大瞬間風速、日照時間、全天日射量についても検討したが、いずれもPD関連腹膜炎の発症数との相関は認めなかった。PD関連腹膜炎診断時に提出した培養検査の結果、陽性率は77.3%であった。67.3%がグラム陽性球菌、31%がグラム陰性桿菌、1.7%が真菌であった。起炎菌についても季節性は明らかではなかったが、グラム陰性桿菌の検出がやや夏に多い傾向を認めた。グラム陽性球菌と平均気温・平均湿度に相関は認めなかった。グラム陰性桿菌と平均気温・平均湿度には正の相関関係を認めた。易感染性の原因となる既往歴や投薬歴のある患者7人9例についての検討では、易感染性でない患者と比較し起炎菌に明らかな差は認めなかった。PD導入6ヵ月以内の発症13例とPD導入6ヵ月以降の発症53例に分けての検討では、PD関連腹膜炎の発症数や起炎菌に明らかな季節性は認めなかった。
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