透析患者の致死的不整脈-診断・治療・予防
非薬物療法 心臓ペースメーカー
石川 利之
1
1横浜市立大学 医学部循環器腎臓内科学
キーワード:
Warfarin
,
危険因子
,
血液透析
,
死亡率
,
人工心臓ペーシング
,
心不全
,
心房細動
,
電気的除細動
,
出血-術後
,
植込み型除細動器
,
術後感染症
,
慢性腎臓病
,
心臓再同期療法
,
患者重症度
Keyword:
Cardiac Pacing, Artificial
,
Atrial Fibrillation
,
Electric Countershock
,
Heart Failure
,
Renal Dialysis
,
Mortality
,
Risk Factors
,
Warfarin
,
Defibrillators, Implantable
,
Postoperative Hemorrhage
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Patient Acuity
,
Cardiac Resynchronization Therapy
pp.437-445
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015209948
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腎不全があるとペースメーカーや植込み型除細動器(implantable cardioverter-defibrillator;ICD)などのデバイス植込みに伴う出血・感染のリスクが増大し,腎障害の程度が増すに従って危険性が高まる.とくに,末期腎疾患では高率に出血性合併症・感染を起こす.植込み型除細動器症例において腎疾患のある群は腎疾患のない群と比べ,心不全の有病率は高く,心不全による入院回数は多く,生存率は低値である.デバイス植込み手術に際して人工透析のシャントはデバイス植込み側の決定時に問題となる.デバイス植込み症例に高率に合併する心房細動は心原性脳梗塞の頻度を増す.ワルファリン使用下のデバイス植込み手術は出血・感染の危険因子となるが,手術時のヘパリン置換は出血・感染の発生率を著しく増加させるため,むしろワルファリン投与継続下の手術が勧められている.重症心不全に対する両心室ペースメーカーを用いた心臓再同期療法において,腎不全合併例の予後は非合併例と比べ不良である.しかし,腎不全合併例であっても心臓再同期療法レスポンダーの予後は改善する.
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