高齢透析患者に対する個別化した医療と介護
栄養障害への対応 MIA症候群も含めて 医師の立場から
辻 孝之
1
,
加藤 明彦
1浜松医科大学 第一内科
キーワード:
栄養障害
,
炎症
,
危険因子
,
血液透析
,
血糖
,
死亡率
,
心筋梗塞
,
心不全
,
腎不全-慢性
,
生活の質
,
タンパク質-エネルギー栄養障害
,
糖尿病
,
動脈硬化症-アテローム性
,
高齢者
,
診療ガイドライン
,
Glycosylated Serum Albumin
Keyword:
Aged
,
Blood Glucose
,
Diabetes Mellitus
,
Heart Failure
,
Inflammation
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Myocardial Infarction
,
Nutrition Disorders
,
Mortality
,
Protein-Energy Malnutrition
,
Quality of Life
,
Risk Factors
,
Practice Guidelines as Topic
,
Atherosclerosis
,
Glycosylated Serum Albumin
pp.1229-1235
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015004434
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
透析患者の栄養障害は,体蛋白の喪失やエネルギー源の減少を伴いながら,炎症や動脈硬化が互いに影響し合って心血管病を進行させ,生命予後を悪化させる.エネルギーやたんぱく摂取不足,蛋白合成低下や異化亢進による栄養障害は,高齢透析患者では心身機能低下や社会的要因が加わることでより顕著となる.透析患者の糖尿病管理の指標には,HbA1cよりGA(glycated albumin)が推奨されている.糖尿病透析患者の大多数は,細小血管病あるいは大血管病変が進展しているのが一般的であり,厳格な血糖管理の意義についてのエビデンスは乏しい.とくに高齢者に対しては,低血糖のリスクを回避することが優先され,マイルドな血糖コントロールとともに,血圧,脂質管理のほか,心身機能低下防止,生命予後向上を目的としたトータルなケアを考える必要がある.
Copyright © 2014, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.