透析患者における冠動脈疾患と心臓弁膜症の診断と治療
透析患者における心臓弁膜症 保存的治療
森本 聡
1
,
市原 淳弘
1東京女子医科大学 内科学(第二)講座(高血圧・内分泌内科)
キーワード:
血液透析
,
心臓弁膜症
,
心不全
,
腎不全-慢性
,
石灰沈着症
,
ドライウェイト
,
病態生理
Keyword:
Calcinosis
,
Heart Valve Diseases
,
Heart Failure
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
pp.1005-1009
発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014312037
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慢性透析患者の死因の第1位は心不全であるが,心臓弁膜症はその重要な基礎疾患の一つである.弁膜症の原因としては加齢による変化に加え,弁の石灰化の関与が強い.高度の弁膜症に対しては手術療法が推奨されるが,軽症例や手術不能例においては保存的治療が選択される.その際,通常の心不全対策が重要となることはいうまでもないが,併せて弁膜症の進行予防策が必要となる.血糖,血圧の管理に加え,薬剤性の高カルシウム血症とならないように配慮する必要がある.また,心臓超音波検査などにより弁の状態,弁膜症による心負荷の状態を正確に把握し,治療内容の再評価を行いつつ,外科的治療施行のタイミングを逃さないように細心の注意を払う必要がある.
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