透析診療のリスク・セーフティマネジメント
透析室における感染対策
安藤 亮一
1
1武蔵野赤十字病院 腎臓内科
キーワード:
HIV Infection
,
インフルエンザ-ヒト
,
肝炎-B型
,
肝炎-C型
,
血液透析
,
結核
,
院内感染
,
感染予防管理
Keyword:
Cross Infection
,
Hepatitis B
,
Hepatitis C
,
Influenza, Human
,
Renal Dialysis
,
Tuberculosis
,
HIV Infections
,
Infection Control
pp.379-386
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014224438
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
院内感染は,医療事故であり,患者との信頼関係を大きく損ない,透析施設の存続すら危うくする可能性をはらむ.感染対策の基本は標準予防策であり,これに感染経路別対策を加える.透析室でのウイルス肝炎のアウトブレークの原因の多くは,注射剤の不適切な使用である.C型肝炎はガイドラインに従って,適応があれば治療することにより,感染対策にもつながる.HIV感染は拡大しており,ガイドラインに則って,一般の透析施設での透析が可能である.透析室でのインフルエンザのアウトブレークを防ぐためには,透析患者の体調の確認,連絡体制の確立,ワクチンの接種,発症者の時間的・空間的隔離,抗インフルエンザ薬の予防投与などが必要である.透析患者は結核のリスクが高く,アウトブレークは社会的インパクトが強い.早期発見,早期治療が基本である.
Copyright © 2014, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.