透析患者の中枢神経系障害
透析患者の脳病態生理学 脳萎縮と認知機能障害
鶴屋 和彦
1
1九州大学 大学院包括的腎不全治療学
キーワード:
血液透析
,
腎臓移植
,
腎不全-慢性
,
造血剤
,
低血圧
,
認知障害
,
貧血
,
大脳萎縮
Keyword:
Anemia
,
Cognition Disorders
,
Kidney Failure, Chronic
,
Hematinics
,
Hypotension
,
Renal Dialysis
,
Kidney Transplantation
pp.1433-1441
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014021270
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加齢とともに脳は萎縮するが,透析患者では,加齢で説明できない機序により脳萎縮が急速に進行することが明らかにされている.その機序としては,脂質異常症や高血圧による脳動脈硬化症,貧血,心不全,アルミニウム毒性,尿毒症物質,血液透析に伴う脳浮腫などの関与が考えられているが,十分には解明されていない.また,認知機能障害も高頻度に認められ,エリスロポエチンによる貧血改善や腎移植への移行によって改善する可能性が指摘されているが,頻回透析による認知機能改善効果はあまり期待できない.脳萎縮や認知機能低下を予防するためには,高血圧,低栄養,貧血,脂質異常症などの是正可能な病態をしっかりと管理することが重要と考えられる.
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