透析患者の栄養障害とNSTの可能性
透析患者の栄養障害とは?
熊谷 裕通
1
1静岡県立大学 臨床栄養学
キーワード:
Cytokines
,
栄養評価
,
エネルギー摂取量
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
タンパク質-エネルギー栄養障害
,
クワシオルコル
Keyword:
Energy Intake
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Kwashiorkor
,
Protein-Energy Malnutrition
,
Nutrition Assessment
,
Cytokines
pp.1169-1174
発行日 2013年7月10日
Published Date 2013/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013319018
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透析患者では,食事摂取量の低下,透析による栄養素の喪失,肝や筋における蛋白合成の低下,異化の亢進などさまざまな理由により栄養障害をきたす.これらの成因には透析患者の体内で生じる軽度な炎症が深く関わっており,栄養障害が長期間持続すると,筋肉や脂肪の減少が生じ消耗状態となる.透析患者の栄養障害の病態は,消耗性クワシオルコルという病態と類似している.近年,透析患者の栄養障害を蛋白質・エネルギー消耗状態として,その診断基準が定められた.この診断基準には,従来から広く用いられてきた血液検査値,肥満度,体重減少,食事摂取量に加え,体脂肪率や筋肉量など体組成に関する項目が取り入れられた.
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