特集 胆囊ポリープ・腺筋腫症,胆囊良性疾患の診断と治療
9.まれな胆囊良性疾患(2)胆囊軸捻転・胆囊虚血
加藤 厚
1
,
賀川 真吾
1
,
栁橋 浩男
1
,
有光 秀仁
1
,
石毛 文隆
1
,
岩立 陽祐
1
1千葉県がんセンター肝胆膵外科
キーワード:
胆囊軸捻転
,
遊走胆囊
,
胆囊虚血
Keyword:
胆囊軸捻転
,
遊走胆囊
,
胆囊虚血
pp.669-673
発行日 2025年5月20日
Published Date 2025/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003472
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胆囊軸捻転は肝床部との固定が不十分あるいは固定されていない遊走胆囊を背景因子とし,胆囊が捻転することによる胆囊虚血により急性胆囊炎を起こす病態で,急性腹症において鑑別を要する疾患の一つである.胆囊虚血は胆石に伴った壁内血管の血流障害,血栓塞栓症,全身性の血管病変に伴うもの,外傷による血管破綻なども原因となる.胆囊虚血を伴う急性胆囊炎は,胆囊穿孔から胆汁性腹膜炎を起こすことがあり,急性胆囊炎と診断された症例が短時間で増悪する場合には造影CT検査を施行するなどして胆囊壁の血流評価を行い,胆囊虚血を認めた場合には速やかに外科的に胆囊摘出術を施行するなど適切に対応することが必要である.

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