特集 小腸疾患に対する最新の内視鏡臨床
10.腫瘍性疾患に対する最新の診断治療戦略
中村 正直
1
,
山村 健史
2
,
前田 啓子
2
,
澤田 つな騎
1
,
石川 恵里
2
,
川嶋 啓揮
2
1名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部
2名古屋大学医学部附属病院消化器内科
キーワード:
小腸腫瘍
,
悪性リンパ腫
,
カプセル内視鏡
,
バルーン内視鏡
,
gastrointestinal stromal tumor
Keyword:
小腸腫瘍
,
悪性リンパ腫
,
カプセル内視鏡
,
バルーン内視鏡
,
gastrointestinal stromal tumor
pp.1545-1552
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003262
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2000年以降,カプセル内視鏡(capsule endoscopy;CE)とバルーン内視鏡(ballon-assisted endoscopy;BAE)の導入により小腸腫瘍に対する診断能が向上した.さらにはCTなどの複数の画像診断を組み合わせることで診断の正確性が高まった.小腸は元来非上皮性腫瘍の頻度が高い臓器である.とくに頻度が高いとされる悪性リンパ腫,GISTなどの悪性のポテンシャルをもつ腫瘍の診断にはCEやダブルバルーン内視鏡(DBE)が有効である.良性腫瘍であっても腸閉塞や大量出血といった重篤な症状を引き起こす可能性があるため,肉眼形態によっては治療が検討される.小腸腫瘍の治療は外科的切除が主体であるが,脂肪腫や10 mm未満のサイズの腫瘍では内視鏡治療が試みられる.
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