特集 消化器がん薬物療法
第1部 各臓器がんにおける現在の標準治療と今後の展望 3章 膵癌 Ⅰ 膵癌に対する周術期補助化学療法 1.本邦と欧米における現況
石垣 和祥
1
1東京大学医学部附属病院臨床腫瘍科
キーワード:
膵癌
,
周術期治療
,
切除可能膵癌
,
切除可能境界膵癌
Keyword:
膵癌
,
周術期治療
,
切除可能膵癌
,
切除可能境界膵癌
pp.1056-1063
発行日 2024年8月9日
Published Date 2024/8/9
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003150
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膵癌は最も予後の悪い固形がんとして知られているが,直近のデータによると,5年生存率は10%を超えるまでに改善している.この予後改善には2013年・2014年以降,FOLFIRINOX(FFX)療法やゲムシタビン(GEM)・ナブパクリタキセル併用(GnP)療法などの多剤併用療法が切除不能膵癌に対する標準治療として確立されたことが大きく影響している.最近ではNALIRIFOX療法がGnP療法と比較して全生存期間(overall survival;OS)を有意に改善させたという報告がされ,さらなる予後改善が期待されている.
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