第1部 各臓器がんにおける現在の標準治療と今後の展望 6章 大腸癌 Ⅰ 大腸癌に対する周術期補助化学療法 1．本邦と欧米における現況

切除可能大腸癌のうち直腸RSを含む結腸癌に対するエビデンスは本邦・欧米ともほぼ確立しており，標準治療は手術±術後補助化学療法である．一方，直腸癌に関して欧米では術前化学放射線療法（chemoradiotherapy；CRT）＋手術±術後補助化学療法であり，本邦では結腸癌に準じて手術（±側方リンパ節郭清）±術後補助化学療法が行われている．本稿では，これら周術期治療に関してこれまでのエビデンスを交えながら概説する．