連載 「胃炎の京都分類」の使い方
第21回 蜘蛛の巣様粘液は固着粘液とどこが違うのか
金子 裕明
1
1横浜市立大学附属病院消化器内科学
キーワード:
ボノプラザン
,
web-like mucus(蜘蛛の巣様粘液)
,
胃粘液
Keyword:
ボノプラザン
,
web-like mucus(蜘蛛の巣様粘液)
,
胃粘液
pp.721-726
発行日 2024年5月20日
Published Date 2024/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003058
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ボノプラザン内服に伴う胃粘膜変化の報告はこれまでにもあるが,粘液付着に関する報告はない.われわれは,① 白色透明,② 蜘蛛の巣様の外観,③ 洗浄除去が困難,以上3項目をすべて満たす特徴的な粘液をweb-like mucus(蜘蛛の巣様粘液)と命名し,自施設の後方視的な検討でボノプラザン内服例の2割程度に認められることを確認した.洗浄除去が困難な粘液として自己免疫性胃炎の固着粘液が挙げられるが,web-like mucusとの違いはその特徴的な色調・外観および除去のしにくさにあると考えている.粘液の特徴を知ることは時に診断の補助になりうるが,付着した粘液の下の粘膜面の観察が不十分になる可能性があることも認識しておくことが重要である.
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