特集 肝細胞癌の集学的治療
2.肝細胞癌治療の実際(4)薬物療法⑦ 薬物療法によるconversion
土谷 薫
1
,
安井 豊
1
,
黒崎 雅之
1
,
泉 並木
1
1武蔵野赤十字病院消化器内科
キーワード:
切除不能肝細胞癌
,
conversion治療
,
薬物療法
,
局所療法
Keyword:
切除不能肝細胞癌
,
conversion治療
,
薬物療法
,
局所療法
pp.558-564
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003023
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肝細胞癌におけるconversion治療とは,薬物療法導入前には切除や他の局所療法では根治不可能であった癌が薬物療法の奏効により縮小を認め局所根治的治療が可能になることである.時代とともに奏効率の高い薬物療法(レンバチニブやアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法など)が使用可能となり肝細胞癌のconversion治療導入率は飛躍的に上昇している.Conversion治療のポイントとしては一次治療開始時より肝予備能が良好で腫瘍条件が比較的良好(BCLC stage B症例など)ではconversionを念頭にtumor boardなどで治療戦略を構築することが挙げられ,またその情報を患者・家族・多職種の医療従事者と適切な時期に共有し新しい治療局面に前向きに進んでいくことが重要と考えられる.
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