特集 非乳頭部十二指腸腺腫・癌の診療方針
5.非乳頭部十二指腸腺腫・癌の病理診断
名和 純一
1
,
田中 麻理子
1
,
牛久 哲男
1
1東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学分野
キーワード:
胃型腫瘍
,
腸型腫瘍
,
adenoma-carcinoma sequence
Keyword:
胃型腫瘍
,
腸型腫瘍
,
adenoma-carcinoma sequence
pp.1497-1503
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002837
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非乳頭部十二指腸腺腫・癌は胃や大腸の規約分類に準じて分類することが一般的である.さらに,細胞形質により腸型と胃型に分類することができ,前者は大腸の腺腫・分化型腺癌と類似した組織像を呈し,十二指腸腫瘍の大半を占める.胃型腫瘍は,胃腺窩上皮化生,Brunner腺過形成,異所性胃粘膜などを母地として十二指腸近位側に発生する.腸型,胃型腫瘍ともにadenoma-carcinoma sequenceが存在する.胃型腫瘍は腸型腫瘍よりも悪性度の高い傾向がみられる.非乳頭部十二指腸腺癌はマイクロサテライト不安定性癌の頻度が比較的高く,特徴的な組織像を示す.また,いくつかの遺伝性腫瘍症候群において非乳頭部十二指腸腺腫・癌の発生リスクが高まることが知られている.
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