連載 大腸ポリープに挑む
第9回 大腸鋸歯状病変のマネジメント
佐野 亙
1
,
杉村 直毅
1
,
平田 大善
1
,
岩舘 峰雄
1
,
佐野 寧
1
1佐野病院消化器センター
キーワード:
大腸鋸歯状病変
,
過形成性ポリープ
,
sessile serrated lesion
,
sessile serrated lesion with dysplasia
,
鋸歯状腺腫
Keyword:
大腸鋸歯状病変
,
過形成性ポリープ
,
sessile serrated lesion
,
sessile serrated lesion with dysplasia
,
鋸歯状腺腫
pp.219-225
発行日 2023年1月20日
Published Date 2023/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002518
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
WHO分類2019(第5版)によれば,大腸鋸歯状病変は,病理組織学的に過形成性ポリープ(hyperplastic polyp;HP),sessile serrated lesion (SSL),細胞異型を伴うSSL (sessile serrated lesion with dysplasia;SSLD),鋸歯状腺腫(traditional serrated adenoma;TSA)に分類され,このうち,SSL,SSLD,TSAが前癌病変とされる.本稿ではこれら大腸鋸歯状病変の頻度や内視鏡的特徴,および筆者らが考えるこれらの病変に対する治療方針について述べる.なお,これまでWHO分類2010(第4版),大腸癌研究会(Japanese Society for Cancer of the Colon and Rectum;JSCCR)分類でSSA/P (sessile serrated adenoma/polyp)と呼称されていたものが,WHO分類2019ではSSLと呼称されることになった.呼称だけでなく,病理組織学的診断基準もWHO分類2010,JSCCR分類,WHO分類2019では多くの相違点がある.過去の文献では異なる診断基準が用いられており,これらを同じ土台で扱うことには議論があるものと思われるが,読者の混乱を避けるため,SSA/Pとして研究,検討された文献についても,本稿ではすべてSSLとして記載することとした.
Copyright © 2023, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.