特集 消化管内視鏡治療のリスク克服に向けて
3.先進内視鏡治療に潜むリスクとそのマネジメント(1)経口内視鏡的筋層切開術(POEM)
井上 晴洋
1
,
安藤 涼平
1
1昭和大学江東豊洲病院消化器センター
キーワード:
食道アカラシア
,
経口内視鏡的筋層切開術
,
気腹
,
compartment syndrome
Keyword:
食道アカラシア
,
経口内視鏡的筋層切開術
,
気腹
,
compartment syndrome
pp.76-79
発行日 2022年12月20日
Published Date 2022/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002484
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
POEMは,食道の粘膜下層において,食道体部から胃噴門まで粘膜下層トンネルを作成して,食道と噴門の固有筋層を切開するという高難易度の内視鏡手技である.これまでの内視鏡治療ではあまり経験しない偶発症として,気腹と粘膜下血腫がある.気腹は放置するとcompartment syndromeを引き起こすことから留意が必要で,腹腔穿刺によって対応される.また粘膜下血腫は増大傾向があるかどうかで,経過観察あるいは粘膜下層の出血点の止血を試みるか二つの異なる対応がある.総合的に臨床判断が必要となる.
Copyright © 2022, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.