特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
第7章 消化管
経口内視鏡的筋層切開術(POEM)は食道アカラシアの標準治療となるか
畑 佳孝
1
,
伊原 栄吉
2
1九州大学大学院医学研究院病態制御内科学
2九州大学大学院医学研究院病態制御内科学/消化器代謝学講座
キーワード:
食道アカラシア
,
経口内視鏡的筋層切開術
,
POEM
,
GERD
Keyword:
食道アカラシア
,
経口内視鏡的筋層切開術
,
POEM
,
GERD
pp.558-560
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_558
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Summary
・食道アカラシアは,嚥下困難や胸痛によってQOLを低下させる重要な疾患である.
・いまだ病因・病態は解明されておらず,根本的な治療法は確立されていないため,対症療法として内視鏡的バルーン拡張術や外科的筋層切開が施行されてきた.
・2008年に開発された経口内視鏡的筋層切開術(POEM)は,短期治療成績にて高い有効性と安全性が明らかにされ,世界中で施行されるようになった.しかし,長期の有効性および合併症については検討が十分でなく,なかでも術後長期合併症である胃食道逆流症(GERD)が問題視されている.
・POEM後GERDの発症リスクに関しては今後の検討課題であるが,POEMは食道アカラシアの標準治療であると考えられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2020