食道疾患の診療
Ⅲ 食道癌の診療 18 進行・再発食道癌に対する薬物療法
中田 晃暢
1
,
室 圭
1
1愛知県がんセンター薬物療法部
キーワード:
食道癌
,
薬物療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
食道癌
,
薬物療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.1141-1148
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002322
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
本邦における食道癌は,予後不良な疾患であり,他癌種と同様に高齢発症が多い.食道癌の5年相対生存率は47.5%と,胃癌の72.1%や大腸癌の72.6%と比較して予後不良である.とくに,化学療法の主要な適応であるⅣ期の食道癌の5年相対生存率は9.2%とかなり低い.また,昨今の高齢化を反映して,粗罹患率は増加傾向である.このように治療成績が悪く,積極的な治療が困難な高齢者が多い点から,治療の進歩,発展が望まれる癌種の代表といえる.このように,進行・再発食道癌(以下,進行食道癌)の薬物療法を取り巻く状況は厳しいが,近年の免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor;ICI)の開発は目覚ましいものがあり,すでに二次治療以降の標準治療として広く使用されている.さらに,一次治療におけるICIの使用が本邦で承認され,これまでの抗癌剤治療のみの標準治療から一変した.
Copyright © 2022, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.