特集 非B非C型肝癌を繙く
6.非B非C型肝癌の治療(4)進行肝細胞癌に対する薬物治療 ―非B非C型肝癌に対する考え方
小笠原 定久
1,2
,
叶川 直哉
1
,
加藤 直也
1
1千葉大学大学院医学研究院消化器内科学
2千葉大学医学部附属病院臨床研究開発推進センター
キーワード:
進行肝癌
,
薬物治療
,
非B非C型肝癌
Keyword:
進行肝癌
,
薬物治療
,
非B非C型肝癌
pp.311-317
発行日 2022年2月20日
Published Date 2022/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002123
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
生活習慣病,とくに脂肪肝患者の著明な増加に伴い,それらをおもな要因とする非B非C型肝細胞癌(肝癌)が著しく増えている.昨今,進行肝癌に対する薬物療法は分子標的薬から複合免疫療法(アテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法)が治療の主軸となり,今後さらに目覚ましい発展が期待されている.そのようななか,最近Nature誌にNASHを背景とする肝癌に対する免疫療法の治療効果が限定的である,という衝撃的な論文が発表された.一方,本邦の実臨床においてアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法が用いられるようになり1年が経過し,リアルワールドデータも徐々に明らかになりつつあるが,現時点までに非B非C型肝癌に対する有効性が劣るという明確な報告はない.本稿においては,今後著明に増加し肝癌の主要因となりうる非B非C型肝癌における薬物治療について,最新の知見に基づき論ずる.
Copyright © 2022, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.