FOCUS
増え続ける非B非C肝癌―NAFLD/NASHを中心に
鈴木 英一郎
1
,
千葉 哲博
1
,
大岡 美彦
1
,
太和田 暁之
1
,
小笠原 定久
1
,
斎藤 朋子
1
,
叶川 直哉
1
,
元山 天佑
1
,
横須賀 收
1
Eiichiro SUZUKI
1
1千葉大学大学院医学研究院消化器・腎臓内科学
pp.1110-1114
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105183
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はじめに
わが国での肝癌での罹患者数はおよそ47,000人であり,癌患者のうち第4位を占める1).B型・C型肝炎に対する抗ウイルス療法の進歩により罹患者数の減少および死亡者数の減少が期待されたが,肝炎ウイルスによる罹患者・死亡者数の減少を補う形で非B非C肝癌(以下,NBNC肝癌)が急激な増加をみている.このため近年は肝癌罹患者数に大きな変動がみられず,その対策は引き続き急務である.このNBNC肝癌の原因の中心となるのが非アルコール性脂肪性肝障害(non alcoholic fatty liver disease:NAFLD)および非アルコール性脂肪性肝炎(non alcoholic steatohepatitis:NASH)である.本稿では,NAFLDおよびNASHの疫学,診断,治療および肝癌発症に関する現状と治療を述べる.
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